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……わ、耳元で囁かれると何か……。
耳元で囁かれて、ぴくっと体が跳ねる。
「我が儘って、どんな我が儘?」
「っ……あの……」
「教えてくれないの?」
「せんせ……耳…ダメ……」
繋いだ手と反対の手を伸ばして耳を隠そうとした時、先生の唇が一瞬、私の耳に触れた。
「っ……ひゃ……」
さっきよりも過敏な反応を示した私を見て、先生は満足そうにクスリと笑う。
「相変わらず耳、敏感だね。」
「……意地悪……」
「佐伯が素直に話してくれないから悪い。」
「だって素直に話したら、先生を困らせちゃうから……」
「いいから、言ってみろよ。」
どうしても聞き出そうとする先生に、私はあきらめてさっき言いかけたセリフを口にした。
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