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切なげに歪んだ先生の顔に、きゅうっと胸が締め付けられる。
……同じ気持ちなんだ。先生も私も……。
少しの時間会うだけじゃ、全然足りない。
もっと会いたくて、触れたくて、そばに居たくて……。
「……先生……」
繋いだ手にそっと力を込めると、先生はゆっくりと視線を私に向けた。
コツンと先生の胸におでこをぶつけて、私は恥じらいながら小さく呟く。
「……私も……先生と、もっといっぱい一緒に居たい……」
「ん……そうだな……」
先生はふわりと微笑むと、片手を私の背中にまわしてそっと引き寄せて言った。
「……佐伯の誕生日には……いっぱい一緒に居ような……」
「……はい……」
幸せな気持ちに包まれながら、先生の胸にそっと頬をすり寄せる。
「……ほんと、今日は甘えん坊だね……」
くす、と小さく笑って、先生は私のこめかみに優しいキスをした。
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