誕生日の約束

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「……きっと、滝沢先生のおかげだね。 ほら、よく言うじゃない。『恋をすると綺麗になる』て。 美和子ちゃんが女っぽくなったのも綺麗になったのも、きっと……恋してるからだよ。 今日も、滝沢先生と会ってたんでしょ?」 「な、何で知って……」 「あの顔見ればすぐわかるよ。美和子ちゃん、帰って来た時、顔がトローンてしてたもん。」 「う……」 ……また、トローン顔指摘された……。 カアッと赤くなった私のほっぺたを、お姉ちゃんは指で、ちょんと突っつく。 「わ、美和子ちゃん真っ赤。」 「っ……お姉ちゃんが、からかうからでしょっ。」 「んふふ、ごめんごめん。だってかわいーんだもん。あ、ドラマ始まるよ。」 クスクス笑いながら、お姉ちゃんは横に向いていた顔をテレビの方に向けた。
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