誕生日の約束

23/114
前へ
/388ページ
次へ
* * * 『……そう言えば今日さ、俺、告られた。』 『えっ、誰に?』 『学校の後輩の子。まあまあ可愛い子だよ。ほら、最近よくテレビに出てる元グラビアアイドルの○○にちょっと似てる。』 『……ふ、ふーん……』 『「好きです、付き合って下さい」って、真っ赤になって緊張してるの丸分かりで、すげー可愛かった。』 『……』 少しの沈黙のあと、彼女はおそるおそるといったように口を開いた。 『……付き合うの?』 『まさか。「好きな女がいるからごめん。」て、ちゃんと断ったよ。 いい子そうだし可愛いし、おまけにおっぱい大きいし……ちょっと勿体無かったけどな。』 『つ、付き合うかどうかに、おっぱいが大きいかどうかは関係ないでしょっ……』 『何で?大事なことじゃん。そういうので選ぶ男もいるよ。』 『……』 『あ、でも安心して。俺はおっぱいの大きさは、そんなに気にしないから……』 『なっ……それじゃあまるで私が、小さいみたいじゃない。』 『声の感じとか話し方とか……そういうので、だいたい分かるよ。実際小さいでしょ?』 『っ、見たことないくせにっ……』 むうっと膨れた彼女に、彼は少しだけ真剣な口調で言った。
/388ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5282人が本棚に入れています
本棚に追加