誕生日の約束

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彼女の真っ白い肌を想像しながら、彼は電話に出る。 『……もしもし、』 『おはよう。ね、写真見た?』 『ああ……』 『どうだった?』 『どうって……』 彼女の問いかけに、彼は少し照れたようにぼそっと呟いた。 『……綺麗だったよ……』 『……』 『綺麗すぎて……参った……』 『……ありがと……』 『それに……結構エロい……』 『も、もうっ、バカ……』 『しょうがないだろ。俺、健全な若い男なんだから。』 からかうようにそう言ったあと、彼は少し不安そうな表情を浮かべる。 『……けど、何で突然、こんなサービスショット送ってくるの?』 『……』 『もしかして、この前貧乳じゃないかって疑ったこと、気にしてんの? それなら訂正するよ。 もちろん巨乳には程遠い感じだけど、うん……俺はあれくらいが好きだし……』 『……えっち……』 真っ赤になってそう言ったあと、彼女は寂しそうな笑みを浮かべてポツリと呟いた。 『でも良かった。最後に貧乳のイメージを取り消すことができて……』 『……最後?最後ってどういうことだよ。』 『……』 携帯を握る彼女の手に、ぎゅうっと力が込められる。 『……今日で最後にしよ……』 『え……』 『だから……こうやって電話で話すのは、今日で終わりにしよ……』 『は?勝手に決めんなよ。 どこの海から電話してるのかを1か月以内に当てたら、付き合うって約束したよな。 まだ日にち残ってる……』 『……ごめん、ね……約束守れなくなっちゃった……』
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