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――そう、
初めから分かっていた。
この恋にはブレーキが必要なことくらい……。
いくらお互い強く想い合っていても、「好き」な気持ちだけで自由に突き進むことができない。
時には、心に溢れる「好き」の気持ちに、ブレーキをかけなければいけないってことくらい……。
それでも、
分かってはいても――、
会いたいから会うとか、
手を繋いで一緒に帰るとか、
そういう、他のみんなが好きな人と何のためらいもなくしている色々を、
先生と私の場合、一度立ち止まって、「恋人同士」と「教師と生徒」という2つのものさしで測ってみなければいけない。
そして今、先生と私は、
キスのその先に進みたくて、けれども簡単には踏み出せなくて――、
立ち止まったままだ。
そのことが、
切なくて、歯痒くて、
――そして苦しいくらいに、もどかしい。
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