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「仕方ないんじゃない?先生が、色々考えたり我慢しなきゃいけないのは。」
そう言って、お姉ちゃんはシュークリームを包んでいた紙を、お皿の上で小さく折り畳んだ。
「だって、誰が考えても分かることでしょ。
先生が生徒と付き合ったら、色々制限されたり、乗り越えなきゃいけない壁が沢山あることくらい。」
「そうだけど、でもっ……」
「そういうの全部分かってて、それでも――、滝沢先生は美和子ちゃんじゃなきゃダメだったんだから。」
「っ……それはっ、」
「ふふ、美和子ちゃん、真っ赤。かわいー。」
一気に赤くなった私を面白そうに眺めてから、お姉ちゃんは少し声を潜めて言った。
「……でも、もしも、
もしも美和子ちゃんが先生と、もっと先に進みたいと思ってるなら……、
美和子ちゃんから先生に意思表示してあげるべきだと思う。」
「わ、私…から?」
「うん。言葉だけじゃなくて、行動でもね。」
「行動って……」
「んー…そうね、例えば……、
お泊まりするとか?」
「……と、泊まっ……」
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