誕生日の約束

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あまりにも刺激的な提案に、私は大きく目を見開いて聞き返した。 「お、お泊まり?しかも私から誘うの?」 「そ。」 「む、無理。言えない、そんなこと。自分から泊まりたいって言うなんて……」 「けど、お泊まりしたいなら美和子ちゃんから言うしかないよ? 先生からは誘えないと思う。教師としての立場もあるだろうし……」 「……でも、私、先生の家に行ったことだって数えるくらいしかないのに、お泊まりなんて……」 「え……先生と会う時は行ってるんじゃないの?」 「ううん、最近は学校帰りに待ち合わせて少し会うくらいで、休みの日に会うこともなかったから……」 「そうなんだ……美和子ちゃんも寂しいね。」 「うん……」 「そうだっ、確か誕生日に会う約束してるんだよね?」 「え、うん。」 「だったら、その日先生の家にお泊まりしてきたら? お母さんには、私のところに来てることにしてあげるから。」 「ええっ、でもっ……」 「こんなチャンス滅多にないよ。今は夏休みだから、美和子ちゃんが私のところに泊まりに来るって行っても、不自然じゃないし……」 「それはそうだけど……」 「お泊まりすれば、時間なんて気にせずにゆっくり一緒に居られるよ。」 「……時間を気にせずに、先生と……」 お姉ちゃんの言葉に、ぐらりと心が揺さぶられる。 ☆本日(4/22)、Seventeen小説グランプリの二次選考通過作品が発表されました。 『フリーズ・ガールの恋』は残念ながら残ることができませんでしたが、沢山の方に投票してもらい、応援してもらえて嬉しかったです( ´∀`) この場をかりて、お礼を申し上げます。ありがとうございました。 タイム
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