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初めは驚いて目をパチパチとさせていた香山先生だったが、やがて手を口元に当ててクスクスと笑いだした。
「…やだ、滝沢先生ったら…からかわないで下さい。」
「からかってないけど…」
「そんな話、誰も信じませんよ。」
「…そうかな。」
「そうですよ。私はともかく…佐伯さんまでからかうのは、それくらいにして下さいね。彼女、びっくりしてるわ。ね？」
「…え…は、はい……あ、いえ…」
…別の意味で滝沢先生の発言に、びっくりしてるけど…。
滝沢先生は私のおろおろした様子を見て、ぷ、と吹き出しそうになるのをこらえながら、澄ました顔で言う。
「佐伯、お前が認めてくれないから、香山先生に信じてもらえないだろ。」
「なっ…」
「もう、滝沢先生ってば。もういいですよ、その話は。」
香山先生は、滝沢先生の言葉を全く信じていないらしく、クスクス笑いながら受け流している。
「ごめんなさいね、佐伯さん。私、変に勘ぐったような言い方して…。
でも佐伯さんて、滝沢先生と、とっても仲がいいのね。」
「…えっと、あの…」
「きっとお気に入りの生徒さんなのね、羨ましいな。」
「…いえ、そんな…」
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