雨の日の秘密

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私は“何とか“の意味を考えてみる。 …私だったら、どうするかな…。 先生に、抱き締めてもらいたくなった時…。 …私なら、たぶん…ベッドで…。 自分の立場に置き換えて想像していた私は、頭に浮かんだ考えに、思わずカアッと顔を赤くする。 ……やだ、今ちょっと想像しちゃった。 でも、先生もするんだ…そんな事…。 先生も、私と同じ気持ち、に…。 「…ね、先生。」 「ん?」 「私も、したことありますよ。」 「何を?」 「だから…ベッドで…」 「はっ?」 「なかなか2人で会えなくて寂しい時とか、声聞いたら余計に会いたくなっちゃった時とか、 何ていうかこう…ムズムズしてきて…たまらなくなって…」 「…うん…」 「それで…ベッドの上で、先生のこと考えながら…」 「……」 「…お布団を…ぎゅうーって…」 「……は?」 「…先生も、そんな事するなんて…ちょっぴり意外…」 「ちょっと待って……さっき佐伯が言ったベッドの上で、ていうのは…俺の代わりに布団を抱き締めてる、て事が言いたかったの?」 「はい。」 「……」 *
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