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あー叫んですっきりした。早くあいつに会いたいな。
マフラーの襟をきちんと合わせて鼻をすすったら
「すんませんね、待たせて。」
苦笑しながらあいつが後ろから声をかけた。いつのまにか近い距離、たぶんさっきの叫びも聞かれてた。
(あっやべっ!)
どうしよう。結果的に目の前で愚痴っちゃったよ!
苦笑する彼、笑ってるけどその内面困ってたらどうしよう。
ぐるぐる、ぐるぐる。目が回る。どうしよう。どうしよう。頭が回る。どうしよう!
うろたえる頭を押さえつけてアタシはなんとかして言った。
「ち…ちがうの!ちがうんだ!いやったしかに寂しいんだけど、でもアタシのことは放っておいてくれても大丈夫!大丈夫なの!だからおまえは心置きなく人助けに専念していいからね!」
「…………はい?」
きょとん、と首を傾げる後輩。ああもう!アタシのバカ!アタシが説明下手なせいでちっとも伝わってないじゃんアタシのバカ!
「あのな、一から説明しよう!アタシは確かにおまえがいないと寂しい。でもね、アタシは寂しいって感じるだけでっ、差し迫ってあんまり困らない。でもおまえが助けないと困る人がいるだろ?で、おまえは放っておいておけないだろ?だからアタシを放っておいてもいいんだよ!寂しいのはアタシのワガママなんだから!」
「や、でもさっき早く構えって……」
「そりゃ早く構ってほしいさ!でもね、無理しなくてもいいんだよ?アタシなんかよりも、困ってる人を助けに行っておいで。気にしなくていいからね!」
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