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───ピピピピピ……
「…ん………。」
枕元で鳴り響く目覚まし時計を手探りで止める。
いつもならそのまま二度寝タイムが始まるのだが、今日はそういうわけにもいかない。
体を起こして大きく伸びをする。
「今日も…暑いかなぁ…」
起き上がって窓を開けると、夏の朝の爽やかな風が、部屋に入ってきた。
私の短いボブヘアも風とともにふわりとなびく。
完全には起きていない頭で私、
神崎 紗那(カンザキ サナ)は、さっきのことを考える。
夢をみていた。
何の夢なのか、目を覚ましたと同時に忘れちゃったけど…寂しくて…苦しい夢だったと思う。
机に置いた手紙をそっと見る。
「夢なら…よかったのに…」
そう願っても、それこそが叶わぬ夢だった。
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