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豊国は、和国にある大きな島だった。
その名の通り、豊かな自然、土地。おまけに住民達の人柄も良かった。
まさに、住むには打ってつけの場所である。
しかしそんな豊かな国であるからこそ、和国の中でも様々な国王達に目を付けられていた。
土地が豊かであるという事は、金儲けも出来るという事。
豊国そのものを買い取ろうとする国王達がいるのだ。
豊国の国王を継いできた代々樂千家は、過去にその申し入れを何度も断ってきた。
金を幾ら積まれようが動じる事なく、答えはいつもNOの一言だ。
そんな樂千家を嫉む国王は少なくない。
どうしても手に入れようと、戦争を仕掛けられた事もある。
そんな中で国を一心に守ってきた樂千であるが、前国王の樂千治は、持病を患っていたが為に、26という若さでその座から降りてしまった。
そして次期王を継いだ壬雨だが、18という若さで王になってしまったのだ。
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