step0:前日談

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それは月の綺麗な夜だった。 「退屈そうね。まあ、こんな島で退屈するなっていう方がおかしいかしら」 月の光を背中に浴びながら言う一人の魔女。 崩壊した天井に腰掛ける魔女を、少年は見上げる。 かちゃり、と少年に施されている手錠が音をたてた。 「はは、はははは」 少年の乾いた笑い声に魔女が反応する。 「なにがそんなにおかしいのかしら?」
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