壱◇新選組

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――誠 この一文字に己のすべてを捧げる男たちがいた 新撰組 彼らはそう呼ばれ、人々から恐れられた ――幕末という動乱の世で 己の信念の為に戦い散りゆく運命にある新撰組 刻々と変化してゆく歴史の荒波に翻弄され、散り行く定め―― 暗い過去に、理不尽な扱いに、先の見えない未来に抗い、 悩み苦しみ葛藤する それでもその先に誠の道があると信じて 己の心に刻み込み 彼らは一心に突き進む そんな彼らの前に、突如現れた謎の少年と少女 ――異なる文化、異なる習慣、異なる考え お互いに相容れない彼らは 戦いの日々の中にいったい何を思い 何を感じ 己の心に何を見出すのだろうか お互いに相容れない彼らの心が その奥に眠る誠の心が 一つになることはあるのだろうか―― 今、扉は開かれた 果たして、彼らの未来は、運命は、その行き着く先には一体何が待ち受けるのか それを知る者は、まだただ一人としていなかった
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