1 歓迎

9/27
前へ
/131ページ
次へ
3-2 「長を毒味係にするとは、一族の風上にも置けないな」  そして、不味くはないが美味くもない、と付け足した。 「毒味だなんて、フェシルミアさまが勝手に食べたんじゃないですか」 「そうだったか」  意地悪く、笑う。その笑顔に安心して、レイリューンは口を開いた。 「友好関係は築けそうな雰囲気ですが、今後の悪天候など、いざという時の援助は…、どうでしょうね」 「さあな。そもそもマセラ王が何を考えているのかわからない。これまで全くこちらを無視していたのに、この大歓迎だ。何らかの思惑があるのだろう」 「ええ。誘拐した娘たちのこともありますし、こちらの思うようにはならないでしょうね」 「ともかく、一族とマセラ王国との往来が自由になればと考えている。そうすれば金が動き、多少の外貨も稼げる」
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加