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3-2
「長を毒味係にするとは、一族の風上にも置けないな」
そして、不味くはないが美味くもない、と付け足した。
「毒味だなんて、フェシルミアさまが勝手に食べたんじゃないですか」
「そうだったか」
意地悪く、笑う。その笑顔に安心して、レイリューンは口を開いた。
「友好関係は築けそうな雰囲気ですが、今後の悪天候など、いざという時の援助は…、どうでしょうね」
「さあな。そもそもマセラ王が何を考えているのかわからない。これまで全くこちらを無視していたのに、この大歓迎だ。何らかの思惑があるのだろう」
「ええ。誘拐した娘たちのこともありますし、こちらの思うようにはならないでしょうね」
「ともかく、一族とマセラ王国との往来が自由になればと考えている。そうすれば金が動き、多少の外貨も稼げる」
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