1 歓迎

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3-3  そしてレイリューンは、アルスの心中に探りを入れるように切り札を口にする。 「一般人の往来が自由になると、セリューナも気軽に遊びに来るでしょうね」  その名前に、アルスは何も反応しなかった。  それは完璧に作り上げた静けさのようだった。 「来ないだろう。あれは、…賢い娘だ」 「なぜです?」 「長の私に近づくほど愚かではない。女が夢を描くような未来など、何もないのだから」 「でも私は、あなたにごく普通の幸福を味わってほしいと思っているんです」  重く、そう言った。 「それはそっくりお前に返してやる」 「私はあなたのお傍にいることが幸福ですから」 「……周囲に妙な誤解をされるぞ」 「……そうですね」
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