13人が本棚に入れています
本棚に追加
3-6
「今後の補償についても色々と考えてきました。まず…」
「ああ」と国王がアルスの言葉を遮った。
「立ち話もなんですから、どうぞ。ところで、そちらは?」
初めてレイリューンの存在に気づいたように言った。
「失礼。これはレイリューン・ランザ。私の部下です。本来ならば華をそえるために妻を同行するべきですが、不幸にも私は妻を娶っておりませんので、やむなく部下を同行させました」
「いやいや、見目麗しい華だ」
確かにそのとおり、レイリューンは女と競わせても引けを取らない容姿だが、内心、アルスは焦った。
国王はレイリューンをしげしげと見つめ、その手を取ると、あろうことか手の甲に口づけた。
最初のコメントを投稿しよう!