1 歓迎

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3-9  しかし、あの若造が部下をとても大事にしていることがわかった。その弱みをどうにかつついてやることはできないか。 「ウォルフはいるか」  はい、とすぐに返事があり、呼ばれた男が現れる。  さほど身分があるとは言えないが、狡猾さが気に入って傍に置いている男だ。 「私が若造を庭へ連れ出す。その隙にあの綺麗な部下と少々遊んでやれ」 「ひゃー、相手は魔族ですぜ。どんな報復を受けるかわかりゃしねえ」 「ふん。物乞いに来てるんだ。その程度のこと、どうということもないさ。多少、ご自分の立場というものを教えて差し上げなくてはな」 「へいへい。りょーかいしました」
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