1 歓迎

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4-3  冗談で笑わせてやろうとしたアルスだったが、もともと冗談を言う性質ではないし、レイリューンはレイリューンで、長の言葉を真剣に読み取ろうとするため、アルスがいきなり冗談を飛ばしても、すぐにそうとはわからなかった。  いや、それ以前に何も知らない人でも、今の言葉のどこからどこまでが冗談なのか理解するのは難しかっただろう。  レイリューンがいきなり苦しげに呻いた。 「何がおかしい」 「……いえ…っ」  必死に笑いをこらえている。  アルスは憮然とした。  ふと、ノックの音。現れたのはマントを外し、やや軽装になった、 「マセラ王…」 「庭園に広報の記者が来ている。できればアルス殿おひとりでいらしては頂けまいか」 「ひとりで?」  訝しげに問い返す。
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