1 歓迎

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4-7  全身に悪寒が走る。しかし、相手に悪気はないはずだ。  レイリューンは必死に、その手の上に近づいたアルスの顔を思い浮かべる。  伏せられた目と、思いやりに満ちていたあの表情を。 「剣を持たれるからか、手はとても頑丈だ。腕も、ああ、結構いい筋肉してますね」  言いながら、手やら腕やらを遠慮なく触ってきた。  ……息が苦しい。体温が急激に下がっていくのがわかる。  しかし外交的なこと、いや、自分の立場を考えると何もできない。  出口のない恐怖が、レイリューンを苛む。 「……し、失礼、ウォルフ殿。私はそういうことはあまり……」  ひかえめな抗議を声に出す。 「おや、どうしました。ご気分でもすぐれませんか?」 「い、いえ、大丈夫です。お気遣いなく…」 「横になられたほうがいい。苦しくはないですか」  言いながら、レイリューンの襟元をくつろげていく。
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