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「おや、ここをどこだと思ってるんです。そんな態度でいいんですか」
「す、すみませ……」
フェシルミアさま。
その名前だけを力にする。
「天からの援助がいらないと仰せなら、まあそれもいいでしょう」
「あ……っ」
「お互いの立場を、お忘れのようだ」
「……申しわけ……っ」
どうしていいかわからず、その場に膝をついた。
顎をつかまれ、無理やり上向かせられる。
怒りと屈辱、そして恐怖に震えた。
いざとなれば、外交のことなど気にせず殴り飛ばせとフェシルミアさまはおっしゃった。
でも、それは本当に、私にそんなことができると思ってのお言葉だったのだろうか。
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