2 許容

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5-3  それもそのはず、突然背後から何者かが抱きついてきたのだ。 「すみません」  そして、穏やかな男の声がする。  聞き覚えがあった。でも、まだ、信じない。 「驚かせるつもりは……、なかったんですが」  セリューナはそのまま動けない。声の主が誰だか予想がついても、動けなかった。 「レイン…さん…?」 「……はい」 「嘘…やだ…ほんとうに…?」  腕をふりほどき、向かい合う。  たった今、見上げた空のような、薄い水色の瞳だった。 「レインさん……」  本物のレイリューンがそこにいた。 「すみません…来るつもりも…なかったんですが」 「どうしたの、何があったの。どうしてこんなところに?」  レイリューンは不意に、ふわりと笑った。
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