13人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
5-4
「よかった…、あなたに会えて」
「あ、アルスさまに何か?」
「…いえ、私個人の問題です。でも、もう大丈夫ですから」
セリューナはわざと恐い顔をしてみせ、両手首をつかまえた。
「ちゃんと言ってっ」
「気分が悪くなるような話ですよ?」
「でも、レインさんはもっと気分悪かったんでしょ? 言わなきゃだめっ」
「なぜ…」
なぜ、彼女はいつも私の危機を救ってくれるのだろう、とレイリューンは思う。
「家、すぐそこだから落ち着いて話して? お茶ぐらいは出せるから」
「…いいんですか」
「当たり前よ」
セリューナが手をひく。レイリューンはそのはずみで少し、よろめいた。
最初のコメントを投稿しよう!