2 許容

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5-7 「失礼。習慣が違うのかな」 「いえ、そうではなくて……」  説明すべきかどうか迷っていると、扉が開いた。 「ただいまー、レインさん」  光を背に、セリューナが立っていた。  思わず、瞠目する。 「えっと、紹介するね。父と、こっちが母です」  そばにいる男性と、後ろにいた女性を示した。  セリューナによく似た顔立ちをした、ひかえめな印象の女性だった。 「それで、彼がさっき話したレイリューン・ランザさん。本当にお世話になった人よ」  まあ、その節は娘がご面倒をおかけしまして、と母親がお決まりの挨拶をはじめる。  セリューナは父親に、籠に入れた薬草を見せた。
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