2 許容

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5-8 「父さん、これでよかった?」 「ん、ああ。母さん、これをすり潰して甘く煮てくれ。えっと、そちら甘いものは大丈夫かな」 「あ、はい」 「もう大丈夫?」  セリューナが顔を覗き込んできた。  彼女があの瞬間に現れてくれなかったら、どれほどの誤解を招いてしまっただろう。 「ええ、……ありがとうございます」  その言葉がやけに重く響いたので、セリューナはどうしてだろう、と少しだけ考えた。 「でも、アルスさまは何を考えてるのかしら。レインさんをこんなになるまで放っておくなんて」 「いえ…、私が、勝手に出てきてしまったので……」 「かっ、勝手に!?」 「ええ。フェシルミアさまが記者に囲まれている間、私は部屋にひとりだったんです。そこへ、ひとりの男が話し相手にとやってきて、その男が私に…、その、ある種の嫌がらせを……」  ああ、と父親が言った。
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