2 許容

10/26
前へ
/131ページ
次へ
5-9 「そういうことか」  納得したような顔をする。  セリューナは全然わからなかった。 「え、え、なに?」 「くだいて言えば、男に痴漢されたんだろう」  セリューナの表情がこわばった。 「…なにそれっ、それ、楽しいの?」 「さあな。上は何を考えているのかわからん。魔族の部族はひとつきりじゃない。アルス一族を味方につけておけば悪いことなど何もないのに。こんなことは庶民でもわかるはずだが」 「私たちは物乞いに来たと思われているのでしょう。実際、援助を申し入れているわけですし、多少のことは、…仕方ありません」
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加