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6-1
「時間があればいいんだが…、そうだ。セリューナ、ちょっと手伝いなさい」
「はい」
「お前なら大丈夫だろうから彼に手を置いて、…そう、それでいい」
そして、二人の手の上に、父親は手を重ねた。
「セリューナ、そのまま手をどけなさい」
「え…っ」
レイリューンが困惑の声をあげた。
しかしセリューナは父親の行動を理解して手をどけた。
避ける間もなく、父親の手がレイリューンに触れる。
「……っ」
過去の情景と、つい先ほどの男の手が思い出されて震えが走る。
だが、このひとは違う。
違う、違う、違う、と自分に言い聞かせ、どうにか堪えた。
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