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6-2
「大丈夫、もう大丈夫だ」
言って、父親はレイリューンの髪をそっとなでた。
その穏やかな声と優しい仕草に、レイリューンはどこか懐かしいような顔をして目を細めた。
「君は強い子だ。たとえ男に触れられても、こうして逃げることができた。それでいいんだよ、わかるかい?」
「……はい」
レイリューンが子供のように頷く。
「君にはまだ抵抗できる手がある、逃げるための足がある、逆境を乗り越えようと考える頭がある。どんなことがあっても、大丈夫なんだよ」
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