―五日月―

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「まだ食べる?」 空になった椀を見てその人は言った。 「・・・。」 何も言わずに小さく首を横に振る。 そして、信用してないからという目で思いっきり睨みつけた。 「解ってる。」 はははっとその人は軽く笑い、立ち上がった。 「お休み。」 と言って部屋を出、ふすまを閉めた。 ぱたんっ ・・・あの人を信じていいのだろうか? っ!だめ!人なんて信用できないのだから! こうなったら早くここから逃げないと! とりあえず、動けない私は襲われてもどうにもならないのでさっさと眠ることにした。 結果的に、あの人の言葉を信じることになったことは考えないようにした。 .
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