―新月―

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がさがさがさっ――――― 「はぁはぁはぁっ。」 っどうして? 目の前が紅く染まる。 右肩の刺し傷がひどく痛んだ。 どうして?! 走るたびに両足から新しい血が流れているのがわかる。 だが、それでも足を止めるわけにはいかない。 どうしてっ!! 左手で右肩を押さえながら力の限り走り続けた。 月明かりのない夜の中 瞳に映るのは 紅 悲鳴と罵声が耳について離れない。 怒りと悲しみが込み上げてくる どうしてっ・・・ 涙が頬を伝っていった。 「あっ!?」 不意に視界が開けたかと思うと眼前は高い崖だった。 止まることができず、足を滑らせ落ちてゆく・・・。 身体と共に私の意識は宙に放り出された―――――― .
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