視線の先に映りたくて

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もともと彼は、私の事なんて好きじゃなかったのかもしれない。 いや、嫌いだったって事はないと思うけどただの"気の合う友達"だけだったんじゃないかと思う だって思い出してみれば付き合い出したのだって周りに言われて付き合いだしたし、彼から愛の言葉も言われたことなんてない。 手だって繋いだことないし、もちろんキスだって・・・その先のことなんて考えたこともない もともと友達だった私たちにとっては、そういうカップルらしいことなんて恥ずかしくて出来なかったし彼とは、一緒にいるだけで幸せだったからそういうことは求めなかった もちろん、彼も私とおんなじ気持ちだったと思っていたしそれをどうにかしようなんてこれっぽっちも考えなかった 付き合い方は、あれだったかもしれないが私たちは想いあってるんだと、そうだとばかり思ってた けど彼は、私を見てないことに気がついちゃたの 彼は、私じゃなくて地味で特に目立たない彼女のことをいつも見ていた あぁ・・・なーんだ、好きだったのは私だけだったんだ 今さら気がついた 「さよなら 幸せになんなよバーカ」 頬に冷たい何かが伝った・・・      END
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