入学式

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学校までの道のりは40分程度かかるが自転車で通うのでそれほどかからない。 このまま行くと入学式の予定時間よりだいぶ早く着いてしまうことに後悔していた。 『早く起き過ぎた眠い』 重い目を覚ますため顔を叩き自転車にまたがった。 雨が降る可能性は十分あったのだが、こういう天気の時のムシムシした電車の中ほど嫌いなものはなかったので折り畳み傘も持たずにこぎだした。 車はほとんど通っておらず歩行者にいたっては0人であった。 学校が近ずくに連れて途中で同じ制服の学生を見かけてないこともあって日にちを間違えたのではないかという不安に襲われていた。 学校に到着したものの教員の車があるだけでやはり生徒は見当たらなかった…。 ここに来るのは、入試の時と合格発表の2回目で迷うことなく下駄箱へたどり着くことができた。 『あれっ… 俺より早いバカがいる それは俺もか…』 と寂しさを誤魔化すため自らツッコミを入れつつクラスへ向かっていた。 クラスは合格発表の時から5組と決まっていたのでなんのドキドキもないまま廊下を歩いていた。 5組は校舎1階の奥にあるので部活勧誘のポスターをゆっくり眺めながら時間を潰していた。 『へぇ~、ここのバスケ部なかなか強いな夏季総体ベスト4まで勝ち進んだのか… まぁ俺には関係ない話だが…』 ぶつぶつ独りごとを言いながら教室たどり着きドアを開けると。 『ゎた…ゎた…私と…友達になってください。 よしっこれならいけるわ やっぱり私はやれば出来る女なのよ』 少女が完全にこちらの存在に気づくことなく練習をしてた。 『うわ~変なタイミングで入っちゃったよ…』 思ったのだが、それは心の中に止めてはおらず口走っていた。 少女はやってしまった顔をしたかと思えば凄い形相でこちらへやって来た。
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