里 子

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僕の兄弟は とうとう みんないなくなっちゃった。 お兄ちゃんは 大会にでるからって 別の施設に移ったみたい。 大会だって‥ 特別にすごいごちそうや ふかふかのベットが あるのかなぁ~ 『かわいそうなもんだよ!』 ダックスのおばさんがいった。 『あんなとこに、いくもんじゃないね。犬はモノ扱いさ!水ぶっかけられて腹いっぱいの飯も食わしてもらえない。大会がおわれば繁殖に回されて、もっとひどい扱いになるのさ!』 悲しくなった。 僕の兄弟は そんなとこへいったなんて‥ でもそんな嫌なこと信じない。 嫌なこという オバサンは嫌いだ。 僕はママを一人で独占できる。 お腹いっぱい ミルクを飲んで ママと一緒にお昼寝する。 『ママ、ママ?おばさんのいうことは本当?僕こわいよ‥』 『そうねぇ。ママも大会にでたことはあるけど、ここのお家にずっといるから、外のことはまずわからないの。でもお兄ちゃん達は元気にしているはずよ。そう信じましょう。だってママの子ですもの。』 そうだね、 僕も強くならなきゃ‥
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