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「……参ったな。
何でこうなったんだ」
ジーンズにセーターとラフな服装をした女は眉間にシワをよせていた。
「あたしの占いではこっちに行く方が……あ!」
ラフな格好の女の前に黒い服の女が現れた。
「ん?」
ラフな格好の女は前方から現れた黒い服の女の前に立ち止まった。
「あたしの占い通りだわ」
黒い服の女ははぁっとため息を着いた。
「意味がわかり兼ねますが」
黒い服の女を見てラフな格好の女は困惑する。
「あたしと貴女は一緒に行動すると占いにでてたの」
自慢げに黒服の女は言う。
「君……」
ラフな格好の女は黒い服の女をマジマジと見た。
「あたしは†羅火†よ。
初対面なのになれなれしいわね」
†羅火†と名乗った女は不機嫌そうに言う。
「いや、ね。
何かメルヘンだなと思ってさ」
ラフな格好の女はクスリと笑う。
「……メルヘン?
あたしが占いが好きだからかしら?」
†羅火†は首を傾げる。
「羨ましいな。
私にはこの格好がお似合いだがな」
自分のシャツを引っ張りラフな格好の女は言う。
「ふぅ~ん」
†羅火†はマジマジとラフな格好の女を見た。
「すまない。
話がズレてしまったな。
私は犬部猫子と言う。
私も貴女もとりあえずここから抜け出すすべがわからない。
それを考えるのが先決ではないか?」
犬部と名乗る女は冷静に状況を分析する。
「まぁ、一理あるわ。
貴女頭いいみたいだし、あたしみたいな占いのエキスパートと組んだら抜群かもしれないしね」
うんうんと†羅火†は頷く。
「この天才と呼ばれる私がいるのだ。
まぁ、仲良く手を組もうじゃないか」
なぜか犬部は威張っている。
「……偉そうに。
あたしの占いだとまだ紛れてる人いるみたいだけど」
そう言って†羅火†はキョロキョロと周りを見渡した。
「いないみたいだが?」
同じく周りを見て犬部は言う。
「もう!
すぐになんて一言も言ってないんだから!」
†羅火†はほっぺを膨らませた。
「おっと……」
「ふがっ!」
いきなり犬部は†羅火†の口を押さえ近くの茂みに見を隠した。
「何するのよ!」
当たり前だが†羅火†は叫ぶ。
「しーっ!
あれ見てみ」
犬部は茂みからそっと指をさした。
静かに†羅火†はその方を向いた。
そこにはニタニタ笑うルイとルカがいた。
そして一瞬こちらを見て消えて行った。
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