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「この先の雑貨屋を尋ねる」
「アリスいる」
「この帽子アリスがオーダーメイドした」
「この帽子はアリスとの絆」
そう言い残し、ルカとルイは消えた。
「よし、行こう。
†羅火†」
犬部はぐいっと†羅火†の手を引っ張った。
「うん!」
†羅火†も頷き二人は歩きだした。
***
しばらく先に進むと犬部と†羅火†はとある小さなお店にたどり着いた。
「ここが雑貨屋かな。
凄いな……」
二人は静かに中にはいった。
「いらっしゃいませ~」
店内には先程一緒に居合わせた少女・藤 花緑がいた。
「あれ?
何してるの?」
不自然に思った†羅火†は尋ねた。
「ん~?
アルバイト~。
だってあたしそもそもお使い中だったし?
ねぇ、スナフキン」
ニコニコしながら藤はスナフキンの人形に同意を求める。
「可愛い~」
興味津々に†羅火†は店中見ている。
「(占いが好きでメルヘンチックな服を着ている。
もしかしてこのこはアリスなの……?)」
店内を見て歩く†羅火†を見て犬部は複雑な顔をした。
「あれ?
あの子ってさ……」
何かに気づいた†羅火†は入口の方を指差した。
「あら……あの……」
いきなり指差されそこにいたゴスロリ服の宮本 真由は戸惑った。
「大丈夫だよ。
彼女達は仲間だ」
真由の後ろから来ていた米部が真由に優しく声をかけた。
「(ん?
見るからにアリスだな。
でもあからさますぎだな)」
ゴスロリの真由を見て犬部は眉間にシワを寄せた。
「どうしたの?」
犬部の様子が可笑しいのに気づいた†羅火†は声をかけた。
「いや。
あ、そうだ。
これ飲まないか?
喉かわいてるだろ?」
犬部は鞄の中から怪しげなジュースを取り出し真由に差し出した。
「あ、うん。
ありがとう!」
素直な真由は疑う事なく受け取る。
「(これは私がさっきの奴らからくすねた秘薬入りだ。
成分表にはアリスにしか効かないとかいてあったが……。
まぁ、一か八かだ……)」
鋭い目で犬部は真由を見る。
「…………」
事の成り行きを†羅火†は黙って見ている。
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