始まりの予感

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犬として妹に従うなど、兄としても男としてもよくないぞ。 かっこよくない!ナンセンス! 「いいかげん着替えて、ご飯食べたら学校行くんだから。私の入学式だよ? 兄として……いえ、犬としてしっかり妹に学校案内しなさい」 犬は決まりなのね。ちくしょうっ! 「犬なんて呼ばないでくれ! 瑠璃よ、僕は認めないぞ」 妹は、冷めた目で僕を睨むと顎で僕に指示を出す。 ひざまずけ! 犬! そう言っている。 何故かわかってしまう。 「僕はひざまつかないぞ!」 「 私の命令が聞けないの?」 兄としてしっかり上下関係をしめさなくてはっ! 「僕が兄で、お前は妹!」 「主従関係にそんなものは関係ないのよ! 犬、私はしっかりその体に女への恐怖を植え付け、躾たはずよ!」 ゾッと背中に悪寒がはしる。 た、確かに僕は女の子に恐怖を抱いている。これは、妹による僕への躾による……。 いやいやっ! 僕はシャイなだけだ、怖いものか! 女の子はカワイイんだっ!
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