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「おいおいおい、たいそうな大家族だなこりゃあ」
付くなりザクスは大声をあげた。
柔らかそうな草地に天幕が3つしつらえられ、石と薪でかまどが仕切られて料理やお湯があたたまっている。
あたりには20人くらいの人たちが、草地や天幕の裾に座って食事をしているのだ。
黒髪の少年から一皿受け取ると、三人はさっそく舌鼓を打つのだった。
「おお小僧、おめえが作ったんかい?」
「そうだよ。どう?好き?」
「ビシッと塩辛くてうめえっ!すげえ好みだぜ。ありがとよっ!!」
「えへへ、えへへ。でもそんなに塩ばかりでもないんだよ」
「腕がいいよおめえさんは!!ビールがありゃ最高だが、こう病人けが人ばかりじゃそうも」
…言いながらザクスは改めてみやった。
実際三々四々食事を摂っているひとたちは、包帯をしたり、厚着をしてフードを深くかむっていたりなひとばかりだ。
「…なんだい、本当に病人とけが人ばかりじゃねえか…いくさにでも追われてきたのかい?」
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