第二の地球

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地球は今、人口増加の過度期に入り、観測衛星を飛ばして新たな惑星を探査していた。人類移住計画の一環である。 ある日、一つの衛星から送られて来たデータは、人類にとって待望の物であった。空気配分、水、そして大地の成分が、地球と酷似する物である惑星があったのだ。この事実は各国に発表され、地球規模での移住計画が本格的にスタートする運びとなった。 まずは環境整備の為、資材や技術者、調査員を送り、建設と調査は同時進行になった。簡素ながら建造される中、調査結果は驚くべき物であった。地中にある埋蔵資源も豊富であり、金属類や燃料資源も地球とほぼ同じ物であった。これにより、移住計画は早期に進める事が可能になった。 それから数千年後、第二地球では、第一地球と遜色は無く、人や動物もサイクルが出来上がるまでに成長し、あらゆる場所に生命が息づいてていた。 そんな平穏なある日、第二地球は突如として異変が起きた。大地が粘化し、人や動物は足を取られてしまう。鳥や飛行機も触手の様に伸びた大地に絡めとられ、あっという間に生命は第二地球に吸収されてしまった。 第二地球と呼ばれた惑星は、粘土を涅ねている様に動く。この惑星は、生命を捕食する為に変える生物だったのだ。微細な神経が繋がった彗星を飛ばし、繁殖し易い生命を感知すると、その生命が繁殖し易い様に環境を変えて、じっと息を潜めて待ち構えているのだ。 粘土の様に動いていた惑星は、適した生命を感知したのか、再び環境を変え始めた。
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