ANOTHER STORY 01

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確かに、様々な歴史があるであろうこの屋敷をは美しい。 だが、それよりも美しいものが、ここには存在していた。 私は幼い頃から、それが好き……、というか惹き付けられて仕方がない。 広い庭の噴水の近くにあるベンチの正面に、それはひっそりと存在していた。 天使と、人間の青年を彫った銅像。 羽を広げる少女が、その眠る青年を膝の上に抱いている。 とても、愛しそうに。 酸性雨のせいで、ところどころ汚れてしまってはいるが、それはとても美しかった。 こんなにも私を惹き付けてやまない銅像が、ただのそこにあるだけの置物ではないと思っていた。 .
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