ぐおおお!俺から離れろぉぉ!

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「ここがコックボ村だな」 スキマを出て呟く。 目の前には村の入り口がある。 それにしてもあの白髪ウザかったな。実力も見極められないのにでしゃばるなよな。 ま、イケメンを惨めに出来たから俺は満足だけどな! っと、まずは村長に話を聞かなければならないのか。 村の中に入る。中はこれといって変わったことは無い。特徴が無いのが特徴みたいな? RPGだと、勇者はここで魔王を倒すための旅の準備のために民家に入り、泥棒するんだろうな。 どうでもいいな。 ちょっと無駄な事を考えて立っていると、 「あ、あの、コックボ村へようこそ」 RPGで入り口近くにいる村人Aと同じようなセリフが聞こえた。 見ると、13、4ぐらいの茶髪でポニーテールの女の子がいた。 「あぁ、依頼で来たギルド員だ。よろしく」 「よ、よろしくお願いします。僕は村長の孫のクレアと言います...」 僕っ娘だと?......あれ?この村の名前はコックボ...... コックボ...反対から読んでボクッコ......僕っ娘... うん、偶然だよな。たまたまだな、うん。クレアがたまたま僕っ娘なだけだ。 「村長の所に案内よろしく」 「は、はい。ではついてきてください」 そう言って歩いていくクレア。 俺はそれについて行く。 途中、他の村人が心配そうにクレアを見て、俺を敵意がこもった目で見てくる。 いや、まぁ、その気持ちは分かるがちょっとやめとこうや。 仮にもSSSの依頼を受けに来たギルド員なんだから、村人全員で戦っても勝てないんだから、あんまり不快にさせちゃだめだろう。 まぁそんな事気にしないが。 3分ぐらい歩いていくと、周りよる少し大きな家が見えてきた。 「あ、あれが村長の家です」 一度止まり、クレアは家を指差しながら、言う。 「そうか、ありがとう。君も付いてくるのか?」 「え?あ、はい。あそこは僕の家でもあるので。行きましょう」 再び歩き出したクレア。 最初より少し喋りが柔らかくなったな。
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