30579人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
「明日は、ギルドの依頼を受けてもらう」
ミシェル先生が帰りのホームルームに言い出した。
前のZランク偽物共は、イタズラということで学園では収まったようだ。まぁ妥当だな。
生徒達が何か言おうとするが、
「静かにしろ。質問は全て説明してからだ」
ミシェル先生はそれをさせる前に制する。
「まずはこれは実技授業の一環という事になっている。依頼は全て討伐系。だいたいがC~B程度のランクになっている」
ふむ、余裕すぎるな。
「ただし、人数は最低3人以上で受けること。明日は一日使って依頼をこなす」
...な......なん...だと?
最低3人...?
「ここまで、何か質問はあるか?」
「はい!」
俺はすかさず手を挙げた。
「む、珍しいな。なんだライ?」
「一人で受けては駄目なのか?」
他の奴らがいるとスキマが使えない。かといって、誰かと組む事になると俺ハブられちゃう。
ていうか他の奴らいると邪魔。
ミシェル先生は少し考えるそぶりを見せたのち、
「駄目だ」
はい、駄目でしたー。
「確かにお前はSランクで一人で受けれるだろうが、他の者はそうじゃない。お前みたいなのが率先して他の者に手本を見せてやるべきだ」
つまり、お守りということですね、分かります。
「誰と行くかは今日中に決めておくように。帰ったら明日の為に道具を揃えたり、休んだりするがいい。解散」
ミシェル先生は小さい体で荷物を持ち、教室から出て行った。
やべー、まじやべー。やべーっていうかめんでー。
うーむ......どうしようか...
俺がドラゴンジャーキーを食いながら考えていると、
「ライさん、私と組みませんか?」
ルナがやってきた!後ろには誰もいない。
「ルナか...」
いや、ルナなら何回もスキマとか見てるし、何より俺がZランクだと知っている。
「駄目ですか?」
「いや、オーケーだ。あと一人は......」
「私が組んでやろう」
ルナの後ろから元暗殺者、現ただの学生のカエデが腕を組みながら歩いてくる。
「ほー...どういう意図があるか知らないが、好都合だ。じゃ明日はよろしく」
最初のコメントを投稿しよう!