学園で依頼

2/32
30579人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
「明日は、ギルドの依頼を受けてもらう」 ミシェル先生が帰りのホームルームに言い出した。 前のZランク偽物共は、イタズラということで学園では収まったようだ。まぁ妥当だな。 生徒達が何か言おうとするが、 「静かにしろ。質問は全て説明してからだ」 ミシェル先生はそれをさせる前に制する。 「まずはこれは実技授業の一環という事になっている。依頼は全て討伐系。だいたいがC~B程度のランクになっている」 ふむ、余裕すぎるな。 「ただし、人数は最低3人以上で受けること。明日は一日使って依頼をこなす」 ...な......なん...だと? 最低3人...? 「ここまで、何か質問はあるか?」 「はい!」 俺はすかさず手を挙げた。 「む、珍しいな。なんだライ?」 「一人で受けては駄目なのか?」 他の奴らがいるとスキマが使えない。かといって、誰かと組む事になると俺ハブられちゃう。 ていうか他の奴らいると邪魔。 ミシェル先生は少し考えるそぶりを見せたのち、 「駄目だ」 はい、駄目でしたー。 「確かにお前はSランクで一人で受けれるだろうが、他の者はそうじゃない。お前みたいなのが率先して他の者に手本を見せてやるべきだ」 つまり、お守りということですね、分かります。 「誰と行くかは今日中に決めておくように。帰ったら明日の為に道具を揃えたり、休んだりするがいい。解散」 ミシェル先生は小さい体で荷物を持ち、教室から出て行った。 やべー、まじやべー。やべーっていうかめんでー。 うーむ......どうしようか... 俺がドラゴンジャーキーを食いながら考えていると、 「ライさん、私と組みませんか?」 ルナがやってきた!後ろには誰もいない。 「ルナか...」 いや、ルナなら何回もスキマとか見てるし、何より俺がZランクだと知っている。 「駄目ですか?」 「いや、オーケーだ。あと一人は......」 「私が組んでやろう」 ルナの後ろから元暗殺者、現ただの学生のカエデが腕を組みながら歩いてくる。 「ほー...どういう意図があるか知らないが、好都合だ。じゃ明日はよろしく」
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!