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「ここがコックボ村ですか...」
転移した先はこの前と同じように村の入り口の前。
「特に特徴は無いな」
カエデは前来た時の俺と同じ感想を言う。まぁそれほどこれといった特徴が無いのだが。
「速く村長の所に行くぞ」
そんな、それぞれの感想を言っている二人を尻目に、村の中に入ろうと歩く俺。
「あ、待ってください!」
「...フン」
ルナは小走りで近付いて来て、俺の隣に並んで歩き出し、カエデは俺達の後ろを一定の距離を保ってついてくる。
なんとも協調性が無い奴だ。俺と同じで。
俺は自覚してる分、たちが悪いか...
そんなこんなで村長の家までついた俺たち。
勿論、数日で家がリフォームなどされるはずがなく、前来た時と変わらない。
おれはそんな家の扉をノックする。
知ってるか?コンコンと二回のノックはトイレの時だぜ?こういう場合は三回が正しいんだ。まぁ結構そんなの気にする奴はいないけどな。
ノックすると、パタパタと中から扉に向かって小走りで走るような足音が聞こえる。
そして扉の向こう側から、
「は、はい、ここはコックボ村の村長の家です。どなたですか?」
この喋り方はクレアだろうか。
「ギルドの依頼で来た者です。村長はいますか?」
一応、敬語を駆使して要件を伝える俺。
後ろで「ライさんが敬語......」とか声が聞こえたが無視。
さらに後ろで「気持ち悪いな...」とか聞こえたきがした。
あの元暗殺者ヤローが...またくすぐってやろうか?
「ギ、ギルドの方ですか?少し待っていてください」
そう言って再びパタパタと足音が聞こえて扉の向こう側から気配は無くなった。
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