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「らいひゃん、なんれわはしはへへんひゅうなんれふは!?」
「なんて言ってるか分からん」
同じ電気棒ではつまらなかったので、ルナには少しずつ普通に電流を強くして流した。
舌が回っていないようだ。
「く、くそ...この...鬼畜め...」
そしてようやく痙攣も収まり、息も少し整ったカエデが立ち上がって睨みつけてくる。
鬼畜?褒め言葉です。
「もう一回やられる?」
「ごめんなさい!」
電気棒を見せるとすぐさま態度を改めて謝るカエデ。
いい具合にトラウマになっているようだ。
「ま、いいや。で、今ルナが動けないから聞くけど、なんで俺と組んだ?なんかあんの?」
今の俺は少し寛大だぜ?お前らでストレス発散したから。
「そこのルナが聞いているがいいのか?」
痺れて動けないルナを指す。
「こいつはもう諸々知ってるからいい。ていうか口止めする。別にいいな?元暗殺者さん?」
「!?」
元暗殺者、という言葉にルナが驚いているような気がするが無視。
「そうか、なら単刀直入に言う。この腕輪をとれ」
カエデは腕についている、銀色の腕輪を見せる。
それは以前、国王から監視の頼みを受けた時に、面倒いからといって着けた、魔力を一般学生の平均より少し多いぐらいにする物だ。
そうすると、Sクラスの平均ぐらいになるのだ。
しかし、
「理由はともかく、それとったら俺がお前の監視を怠ってる事になるんだけど?」
それ以外別にこいつの監視とかしてないし。
「別に金を貰ってる以上、この国を裏切る予定は無い。こんな学園に通うだけで金が貰える仕事なんて無いからな」
そりゃそうだ。
こんな特に何もせず安全な仕事で国王暗殺より金が貰えるもんな。
「まー、俺的にはお前なんてどうでもいいんだけどさ。やっぱ仕事はちゃんとしないと?だからさ」
俺はカエデに近付いて腕輪を触る。
すると、腕輪が取れたではないか。
「ま、魔力の制限はやめてやるよ。その代わり、お前に目印付けたから」
「......どういうことだ?」
「つまり、その目印で知りたい時にお前の居場所が分かるって事だ。だから、もし裏切ったりしたら.........」
一拍置いて、
「.........殺すから」
それと同時に俺は腕を横に振るう。
すると、近くの木に斜めに線が出来、少しするとドシン、という音と共にその線を境界に倒れた。
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