学園で依頼

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さて、スキマで来たのはいいが、 「いやあああああああ!!無理無理無理無理無理無理無理無理!!」 カエデがある魔物を見て絶叫する。 「実は俺も主人公ではないのか?と思うこの頃」 転生とかしてる時点でそうなのかもしれないが。 「やだ!!こないでえええええええ!!」 「ちょ、ライさん!なんとかしてください!」 いつもとは考えられない、非常に女の子らしい叫び声をあげて逃げようとするカエデ。 それを必死に抑えながら俺に助けを求めるルナ。 「おいカエデ、魔力制限無くしたんだからお前で倒せるだろ」 「だって、だって!あんな気持ち悪いの無理ぃ!」 くすぐりとは違い、純粋な恐怖と嫌悪で涙目になっているカエデ。 普通に可愛いとは思うが、それだけだ。 「ライさん!カエデさんがこんなのだから、速くあの"ワーム"倒してください!」 そう、ルナが指差す先には、今回の俺らの依頼のターゲットであるブラウンベアを、丸々飲み込もうとしている巨大なワームがいる。 既にベアは3分の2は飲み込まれている。 ワームの外見は、簡単に言うとミミズ。どでかいミミズ。 ただし、頭らしき先端には大きな口があり、肉食。 ベアはBランク指定の魔物だが、ワームはその巨大な体、地面を潜って下から攻める事で、Sランクという結構高いランクに指定されている。 それなら、俺が最初から風でベアの位置は分かっても、地面にいたワームには気付かないわけだ。 「ルナ、倒せないのか?」 「無理です!私はまだうまく魔法使えませんから!」 なんだ、役に立た「きゃあああ!!気持ち悪いいいいい!!」 カエデうっさい。 叫びたい気持ちは分からんでもないが、自分のキャラを見失うなよ。 ギャップ萌え、という見方もできるが。
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