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「......それをどうするつもりだ......」
俺から奪い取る事は無理だと思ったのか、睨みつけて尋ねてくる。
「どうしてほしい?」
質問を質問で返す。
「こちらに渡せ」
「いいぞ」
「......は?」
「ほい」
録音機をカエデに投げ渡す。
「え?あ......本当か?」
俺の行動が予想外なのか、わざわざ確認してくる。
「あぁ、別にそんなんいらんし。それともなにか?自分の叫び声を聞いて欲しいのか?」
変わったMだな。
「い、いや、そんなわけない」
「そうだろ。それじゃ、一応討伐は終わったし、報告に行くぞ。......あぁ、カエデは先に帰っていいぞ?報告は俺とルナでやるから。なんなら俺が送ってやろうか?」
ルナside
「なんなら俺が送ってやろうか?」
ライさんが......優しい!?
いや、私だってライさんと会ってまだそんなに経ってないから、どんな性格?と聞かれれば、鬼畜、としか言えませんけど。
「だ、大丈夫だ、自分で転移する」
その対象であるカエデさんも、いきなりの事で少し動揺しているように見える。
でも、私達が知らないだけで、本当はライさんはこんな性格なのかもしれません。
「そうか、気を付けろよ」
あ、駄目です。背筋がゾワッとしました。いつもと違い過ぎて違和感ありまくりです。
ですが、小声でも口には出しません。同じ事はされたくないので。
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