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「少し......話し合いの時間をくれないか?」
「まぁ、まだ話が通じてるからいいが、通じなくなったら終わりだ。その時はちゃんと戦えよ」
「......分かった」
レイは頷くと、犯罪者に近付いていく。
「......それ以上近寄らないで」
だが、距離が5メートル程になると、犯罪者からそう言われ、立ち止まるレイ。
「君に......何があったか教えてくれないか?」
「......話す事は何も無い」
「そんな事はない。だって、君の声は、悲しそうだ」
レイの言葉にピクッと体を震わせた犯罪者は、
「......うるさい」
「僕達は君の敵じゃない。だから......」
「......黙れ」
「君の悲しみの理由を、教えてくれないか?」
そんなレイの優しそうな言葉に犯罪者は、
「......黙れぇぇぇぇ!」
何故か突然キレて、槍を構えると、その槍は犯罪者から俺の距離を埋める程伸びて、振り下ろした。
レイは横に飛んで避け、俺は後ろに下がって避ける。
「お前らは、優しい言葉で人を騙し、そして奪ってく!」
槍を元の長さに戻し、横に振るう。その風で犯罪者のフードがとれる。
赤い髪は後ろで縛ってポニーテールにして風で揺れている。
そして瞳からは、涙を流している。
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