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未だにレイと女が良い雰囲気になってはいるが、いつまでもそんな事をしている時間はない。
「おい、いつまでもイチャついてんじゃねえ」
「え?あ、えっと、ごめん」
俺の言葉でハッとしたのか、レイは女を抱き締めていた腕を離した。
「......別に構わなかった」
腕を離されたのが名残惜しかったのか、俺を睨みながらそう言う女。
「はっ、あんまり調子に乗るなよ。忘れたのか?てめぇはまだ犯罪者なんだよ」
俺がそう言うと、より一層女からの視線に鋭さが増した。
「っ!まさか......!」
俺はレイを無視し、地面に転がっている宝具の槍を拾い上げる。
「その女の問題は解決しても、他の問題は終わってねぇ」
槍の先を女に向ける。
「俺等が受けた依頼内容を忘れたか?その女の捕縛または抹殺、そして宝具の回収だ」
「彼女はもう......!」
女を守るように体を前に出すレイ。
「だがまぁ、別にそれ以外にも方法はある」
「!何が」
「おい女」
「......」
レイの後ろから無言で俺を睨む女。
「取引だ。方法を教えてやる。代わりにこの宝具に宿る全ての能力を教えろ」
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