30582人が本棚に入れています
本棚に追加
◇
「依頼は終わらせたぜ」
「......」
俺とレイは、宝具とある物を持ってギルドマスター室に戻ってきた。
「......その槍が宝具?」
俺が手に持つ槍を見て、イルミナさんはそう聞く。
「あぁ、間違いない。アスラートから持ち出された宝具だ」
「そう。......それで、犯罪者は?」
イルミナさんのその言葉に、ビクッと体を震わせるレイ。
俺はそれを無視して、答える。
「抵抗してきたので、戦闘の末、抹殺した」
「......っ!......そう。それで、死体は、どうしたの?」
一瞬イルミナさんの顔が悲しみに歪んだが、すぐに元に戻ってそう聞いてきた。
「最後にちょっと派手な攻撃でバラバラになってな。......腕だけしか残らなかったわ」
俺はボックスから、布に包まれた何かを取り出し、イルミナさんの机の上に置く。
イルミナさんは恐る恐る布を少しだけ捲り、中を覗くと、真っ青になって口元を手で覆い、すぐに布の中から視線を逸らした。
「それじゃ、宝具は置いていきますんで、報酬ください」
「......僕は先に帰るよ。報酬はあとでいい」
レイはそう言うと、扉を開けて部屋から出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!