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「い、いや......ライ、ライ......!」
あー、こんな怪我負ったのはいつ以来か。修行とかしてた時に腕が吹っ飛んだとかはあったなぁ。
いやぁ、あれは焦った。まだ修行し始めて間も無かったから全然魔法とか使えなかったからなぁ。
案外最初は痛くないんだよなぁ。
そして倒れている俺の側でリィンが泣きじゃくっているので、そろそろ起き上がろうかなーと思っていると、俺に腕を突き刺した奴が俺の頭を足で踏んできた。
......
「この人間はもうじき死ぬ。お前も一緒に死ぬか?」
「っ!お前ぇ......!」
「ふふ、私が憎いか?この人間がお前の大切な人なら、私が憎いだろう?」
「殺す......」
「いや、私は死なない。お前が死ぬからな」
俺に腕を突き刺した奴は、リィンに向けて腕を突く。
だが、その前に。
「......まだ動けたか」
「......え?」
俺が血まみれのままリィンを突き刺そうとした腕を掴んで止めたから。
「おい、てめぇ......なにリィン殺そうとしてんだ」
「邪魔だ、死に損ない、っ!」
そいつはそう言ってもう片方の腕で俺を攻撃しようとしてきたが、それよりも早く俺は相手の顔面を殴って吹っ飛ばす。
「ラ、ライ......?」
呆然とした表情で俺の名を呟くリィン。
「【リバース】」
俺はカエデにかけた魔法と同じ魔法で自分の体の状態を少し前に戻し、怪我や汚れをなくす。
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